再生医療(PRP療法)

このたび、おゆみの中央病院は、多血小板血漿(PRP)療法の提供を開始いたしました。PRP療法は再生医療のひとつで、人が生まれながらに持っている「自然治癒力」を活かした治療法です。再生医療は、日本国内において、再生医療新法によって厳格に規制・管理されており、①安全性が担保された方法で、②届出が受理された施設、③登録された医師に限り、実施することができます。
なお、PRP療法は、保険適用外(自費診療)です。そのため、費用は全額自費負担となります。

PRP療法とは

PRP(Platelet Rich Plasma)療法=多血小板血漿療法は、患者様ご自身の血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」を、実施部位に注射する再生医療です。

PRP(多血小板血漿)療法は、その名の通り、血小板が豊富に含まれた成分を用いた治療法で、 血小板の機能を活用した再生医療です。血小板には、血管が損傷したとき、固まって出血を止める働きがあります。また、種々の成長因子を放出する働きもあります 。PRP療法には、血小板から放出される成長因子等の成分により、 傷んだ組織の修復や関節炎の症状軽減を促進する効果が期待されます。
国内では、形成外科や歯科口腔外科領域での使用が中心でしたが、近年、整形外科領域においても注目を集めております。

PRP療法の適応疾患(GPSⅢとAPSそれぞれの対象疾患)

GPSⅢ
  • 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
  • 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
  • 膝蓋腱炎
  • アキレス腱周囲炎
  • 足底腱膜炎
APS
  • 変形性膝関節症

PRP療法の実施方法

PRP療法を実施する当日に、患者様ご自身の血液を50mlあまり(52~55ml程度)採取します。
※食事、飲水の制限は不要です。

採取した血液に処理を施し、損傷の修復を促す物質や関節炎を和らげる物質を含んだ成分を精製します。
この間、30分~1時間程度、患者様には院内にて休憩してお待ちいただきます。

精製処理によって、およそ2.5~6.0ml程度の成分が精製されます。

精製された成分をご自身の患部に注射します。

PRP療法の長所

  • ご自身の血液から抽出するため、感染症やアレルギー反応が起こりにくい
  • 手術と比べて身体への負担が少なく、痕が残りにくい
  • 実施後から、普段の生活に制限が少ない
  • 通院だけで実施できる

PRP療法の短所

効果に個人差がある

効果を感じられる方とそうではない方がおられます。
効果が現れるまでの期間や効果が続く期間にも個人差がございます。
※国内においては2015年7月(GPSⅢ)、2018年7月(APS)に認可された新しい治療法であり、どのような症例に効果があるかなど、研究が進められています。

実施後の数日間、痛みや腫れ・熱感・発赤などを伴うことがある

ただし、これらの症状は一過性で数日かかる場合もありますが徐々に改善していきます。症状の軽減には患部を冷やすこと(アイシング)が有効です。

適応除外項目

お体の状態によっては、PRP療法を実施できない場合があります。心当たりのある項目をチェックしてみましょう。

  • がんと診断を受けたことがある
  • 抗がん剤、生物学的製剤または免疫抑制剤を使用している
  • 患部に細菌感染を伴っている
  • 心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、血液疾患、コントロール不良な糖尿病および高血圧症等を有する
  • 薬剤過敏症の既往歴がある
  • 血液感染症を患っている
  • 血液検査の結果、血小板数の異常がある
  • ステロイド剤を服用している
  • 1か月以内にPRP療法を受けた

その他の注意事項

中止が必要なお薬

普段飲んでいるお薬によっては、血液中に残っている成分がPRP療法の効果を低下させる可能性があります。従いまして、お薬によっては、休薬(※)を推奨させていただく場合がございます。その場合は医師がご説明します。

※休薬とは、服薬を一時的に中断する事です。

成分を抽出できない可能性

採取した血液の状態によっては、成分を抽出できない可能性があり、再度採血が必要となる場合も考えられます。

使用器材の汚染や破損

PRP療法に必要な設備は法定基準をクリアしています。厳格な基準を設け、専門スタッフが血液や器材を清潔に取り扱う体制を確保しています。しかしながら、機器の予期せぬ不具合等により、汚染や破損が発生し、実施が延期・中止される場合も考えられます。

穿刺部の感染について

針を刺した箇所に出血や感染の可能性があります。ただし、出血や感染の危険性は、PRP療法に限らず、注射針を刺す医療行為全般に共通するリスクです。

リハビリテーションについて

PRP療法実施部位のリハビリテーションは、血液感染症検査日から、6ヶ月間の定期診察終了まで、保険適用外(自費診療)となります。そのため、当院ではリハビリテーションを希望される患者様に向けて、オプション制(保険適用外(自費診療))にて提供しております。ご希望の場合には、主治医にご相談ください。

PRP療法の適応に対する当院の指針

PRP療法には「長所と短所」があり、まだ新しい治療法のため、今後、治療実績や研究が進むにしたがい新たな長所や短所が明らかになる可能性が考えられます。そのため当院では、PRP療法の前に従来の治療法を十分に試みることが大切だと考えています。しかしながら、従来の治療法では症状が改善しない患者様や、再悪化を繰り返す患者様にとって、PRP療法は選択肢の一つになりうるというのが当院の考え方です。

1. 不必要なPRP療法が行われることを未然に防ぎます。

PRP療法を実施しなくとも、自然に治癒・回復していた可能性のある患部に対し、不必要なPRP療法が行われることを未然に防ぐ観点から、「従来の治療を受けたにもかかわらず、3ヵ月以上の症状持続、または3回以上の症状再燃があった疾患」を対象とすることを推奨しています。

2. 適応を慎重に判断します。

病状を正確に診断したうえで、PRP療法によって効果が得られるかどうか、複数の医師が参加する院内検討会議を行います。患者様によっては他の医療機関からの診療情報も参考に慎重に判断します。
このように、患者様が初めて来院された後、院内検討会議を行い、2度目のご来院の際に検討結果を説明し、PRP療法の日程を決めます。したがって、実施するまで、少なくとも2回の診療(検査・診察等)をさせていただきます。

3. PRP療法に関する最新情報の収集と情報発信を積極的に行います。

治療実績の報告や関連する最新の論文等によって、PRP療法に関する情報の更新に努め、効果と安全性の向上を目指します。また、重要な情報については、積極的に情報発信に努めます。

PRP療法全体の流れ

PRP療法を実施する前に2回の診察を行い、3回目のご来院時にPRP療法を実施します。

1回目のご来院(保険診療)

診察してPRP療法の適応に可能性があるかどうかを検討します。(その後、病院内でも検討会議を行います。)

2回目のご来院(自費診療)

・病院内の検討会議の結果をお伝えします。
・同意書をお渡しします。
(PRP療法の長所・短所を十分ご理解いただいたうえで実施を希望されたときに、同意書にご署名いただきます。)
・PRP療法実施日を決定します。
・実施前の血液感染症検査、身体機能測定を行います。

3回目のご来院(自費診療)

PRP療法を実施します。

4回目のご来院(自費診療):PRP療法実施から1週間後

実施した部位の状態を診察します。

5回目以降のご来院(自費診療):PRP療法実施から半年間、1ヶ月ごと

実施後の経過を診察します。

1回目の診察の流れ

お持ちいただくもの

  • 保険証・診察券
  • お薬手帳または現在のお薬がわかるもの(サプリメント、市販薬を含む)
  • 当パンフレット
受付

問診票をご記入いただきます。
お薬手帳/現在のお薬がわかるものをお預かりします。

診察

PRP療法の適応があるか、検討する為に診察します。

検査

診断する為に必要な検査を実施します。

検査後の診察

診察の結果、PRP療法を受けられる可能性があると判断され、患者様も希望された場合、次回2回目の診察と身体機能測定の予約を行います。

内服薬の確認・休薬の説明

普段服用しているお薬を確認させていただきます。休薬の必要性がある場合は処方した担当医へ休薬の可否について確認していただくための診療情報提供書を作成します。

事務からのご説明、会計

費用や支払い方法について説明します。

2回目の診察の流れ

お持ちいただくもの

  • 保険証・診察券
  • お薬手帳または現在のお薬がわかるもの(サプリメント、市販薬を含む)
  • 当パンフレット
受付

診療情報提供書をお持ちの方は受付にてお預かりします。
お薬手帳または、現在のお薬がわかるものをお預かりします。

診察

院内検討会議の結果をご説明します。

内服薬の確認・休薬の説明

休薬の必要性がある場合、処方した担当医からの休薬の可否について確認させていただきます。そのうえで、休薬に関して具体的にご説明します。

これまでの説明を聞いたうえで、PRP療法を希望される場合、「細胞提供についての説明書(同意書・同意撤回書)」及び、「再生医療提供についての説明書(同意書・同意撤回書)」をお渡しします。お渡しした説明書に基づきPRP療法について詳細にご説明し、次回(3回目)PRP療法実施の日時を決定します。

血液感染症検査

感染症検査のため、採血を行います。

看護師・薬剤師からのご説明

PRP療法実施日の流れと、休薬の流れについて具体的にご説明します。

理学療法士による身体機能測定・ リハビリに関するご説明

問診、関節可動域測定、筋力測定などの身体機能測定を行います。
PRP療法実施後のリハビリについてご説明します。

会計

費用の一部(16,000円(税別))をお支払いいただきます。

3回目の診察の流れ(PRP療法実施日)

お持ちいただくもの

  • 保険証・診察券
  • お薬手帳または現在のお薬がわかるもの(サプリメント、市販薬を含む)
  • 当パンフレット
  • 再生医療等提供についての説明書・同意書
  • 細胞提供についての説明書・同意書
  • PRP療法同意書(当パンフレット19ページ)
  • PRP療法費用についての説明書・同意書(当パンフレット21ページ)
  • 費用の残金
受付、費用のお支払い ご予約時間の30分前にご来院ください。

あらかじめご署名いただいている 以下の同意書をお預かりします。

  • 細胞提供についての説明書・同意書
  • 再生医療等提供についての説明書・同意書
  • PRP療法同意書
  • PRP療法の費用についての説明書・同意書
お薬手帳または現在のお薬がわかるものをお預かりします。
本日の体調をうかがい、体温測定等を行います。
費用の残金をお支払いいただきます。

診察

PRP療法実施の希望について最終確認いたします。

採血

PRP療法に必要な採血を行います。
採血後、加工作業の間約60分間、院内にてお待ちいただきます。

PRP療法実施

PRPを患部に注射します。
医師より、実施後の注意点をご説明します。

看護師・薬剤師からのご説明

実施後の注意点をご説明します。
休薬していた内服薬の再開についてご説明します。
次回以降の診察予約を行います。

ご帰宅

ご帰宅の際は、必ず受付にお立ち寄りください。

4回目の診察の流れ(PRP療法実施後)

お持ちいただくもの

  • 保険証・診察券
  • お薬手帳または現在のお薬がわかるもの(サプリメント、市販薬を含む)
  • 当パンフレット
受付

診察 投与より1週間経過後に実施部位の状態観察を行います。

必要な場合は検査を行います。
PRP療法実施後、1か月経過時(5回目)の診察予約を行います。

ご帰宅

ご帰宅の際は、必ず受付にお立ち寄りください。

リハビリテーション(自費オプション)をご希望の方は診察の際にお申し付けください。

5回目以降の診察の流れ(PRP療法実施後)

お持ちいただくもの

  • 保険証・診察券
  • お薬手帳または現在のお薬がわかるもの(サプリメント、市販薬を含む)
  • 当パンフレット
受付

診察 実施後の状態を診察します。

必要な場合は検査を行います。
1か月後(6回目〜)の診察予約をいたします。

理学療法士による身体機能測定

問診、関節可動域測定、筋力測定などの身体機能測定を行います。

ご帰宅

ご帰宅の際は、必ず受付にお立ち寄りください。

リハビリテーション(自費オプション)をご希望の方は診察の際にお申し付けください。
定期的な受診、又は電話連絡により、半年間(6か月間) 経過観察をさせて頂きます。

PRP療法当日までのご注意

自動車の運転について

当日(PRP療法実施後)の運転はお控えください。

  • 実施部位の違和感により運転に影響する恐れがあります。

食事/水分/入浴

食事制限はありません。普段通りお召し上がりください。
PRP療法実施前24時間は、普段より多めの水分摂取を心がけてください。

  • 水分摂取量が少ないと、血液採取時に気分が悪くなることがあります。
  • 普段の水分量より500mlほど多めにお飲みください。

当日(PRP療法実施後)は感染予防の為入浴・シャワーをお控えください。

  • PRP療法実施当日は、入浴を済ませてからご来院ください。

PRP療法実施後のご注意

当日(PRP療法実施後)は、個人差はありますが腫れぼったさや違和感がある方もいらっしゃいます。この場合、実施部位を冷やしていただくと、症状は数日で改善します。
痛みが持続される場合は、1週間後の受診時に担当医にご相談ください。
当日(PRP療法実施後)の運転はお控えください。実施部位の違和感により、運転に影響する恐れがあります。
痛み止めの使用に関しましては、担当医の処方する薬のみをご使用ください。薬によっては、治療に影響する場合がありますのでご注意ください。
PRP療法実施後14日間は活動レベルを最小限に、実施前より活発にしないことが推奨されています。運動はお控えいただきますが、痛みが悪化しない程度のウォーキングは可能です。
当日(PRP療法実施後)は、感染予防のため入浴・シャワーをお控えください。入浴・シャワーのご使用は翌日からとなります。実施部位に貼ってある注射パッチを外してから、入浴・シャワーをご使用ください。
中止薬の再開時期に関しましては、医師の指示をお守りください。
実施後は、原則1週間後に診察を行います。その後は、定期的な受診又は電話連絡により、半年間(6か月間)経過観察をさせて頂きます。

ご不明な点は、おゆみの中央病院までお問い合わせくだい。

費用について

PRP療法は、保険適用外(自費診療)です

自費診療にかかる費用合計額

キット名 料金 主な目的
GPSⅢキット ¥120,000(税別) 関節外投与(筋・腱・靭帯)
APSキット ¥300,000(税別) 関節内投与(変形性膝関節症)

※上記①②いずれの費用にも、血液感染症検査費用、診察費用(実施後6ヵ月間)が含まれています。
※上記費用のうち、血液感染症検査費用(16,000円(税別))は、血液感染症検査当日にお支払いいただきます。PRP療法が行えない場合であっても、すでにお支払いになりました血液感染症検査費用(16,000円(税別))の返金はいたしませんので、予めご了承ください。
※PRP療法を実施した部位のリハビリテーションは、経過観察期間(実施後6ヵ月間)において保険適用外(自費診療)となります。
※上記①②いずれのキットが適応になるか、患者様の病状によって異なります。キットの選定は、患者様とご相談のうえ、医師が判断します。
※お支払いは、クレジットカードもご利用いただけます。

費用の詳細についてご不明な点は、病院受付までお問い合わせください。
※PRP療法にかかる費用は、医療費控除の対象です。詳しくは、税務署までお尋ねください。

同意の撤回

PRP療法を受けることについて同意した場合でも、実施前であれば、いつでも同意を撤回することができます。

注意

  • PRP療法実施前の血液感染症検査費用など、既に発生している費用については、検査結果などによってPRP療法が実施できない場合でも返金はいたしませんので、予めご了承ください。
  • PRP療法実施日に自己血液採血の準備にとりかかる過程GPSⅢキットまたはAPSキットを開封いたします。この段階で、医療材料費用が発生します。開封後の同意撤回の場合、医療材料費用の返金はいたしませんので、予めご了承ください。
  • PRP療法実施後は、いかなる場合も(全く効果が感じられない場合も)、返金はいたしませんので、予めご了承ください。

個人情報保護について

PRP療法を行う際に得た個人情報は、当院が定める「再生医療等に関する個人情報取扱実施規程」に従い適切に管理・保護いたします。

説明書・同意書

PRP療法同意書

PRP療法費用についての説明書・同意書

リハビリテーションについての説明書・申込書

(PRP療法)抗血小板薬、抗凝固薬の休薬に関する説明書・ 同意書

PRP療法に伴う休薬の説明

PRP療法(第2種)実施前チェックリスト

PRP療法(第3種)実施前チェックリスト