形成外科 力久医師インタビュー

形成外科 部長力久直昭
「血管腫」治療の発展のために、 日々の臨床はもちろん、 広く社会貢献していきたい
周囲への感謝を忘れず、治療に全力を尽くす

父が薬剤師だったこともあり、医療に近い仕事ということで、少なからず影響は受けていると思いますが、医師になった直接のきっかけは、高校時代に生物が得意だったことが大きいですね。生物の先生は、生物の起源などについてドラマチックに授業をする先生だったので、それですっかり引きつけられました。人を構成する要素としてDNAに興味を持って、人体や生命に携わる仕事をしたいと思うようになり、最終的に医師を志しました。

研修医時代は外科で研鑽を積んでいましたが、そこでは患者さんへの接し方をはじめ、多くの手術を経験することができました。当時の上司はとてもパワフルで、いつも「君に倒れられたら困るから、たくさん食べろ!」といわれていました。実際に医師の仕事は切れ間がなくて、たとえるなら、50mのプールを息つぎなしで泳ぐのと似ています。そうした医師としての心構えやスタンスをはじめ、上司からは常々、「お前らがちゃんと毎日家に帰れるのは看護師さんたちがいてくれるおかげだから、大切にしなきゃダメだぞ」といわれていて、周囲への感謝の気持ちを教わりました。

「血管腫」治療の世界的なプロフェッショナルとして

当院の形成外科では、リンパ浮腫や眼瞼下垂などの身体表面の形態・機能を扱っていて、私の専門は血管腫血管奇形です。

いちご状血管腫や静脈や動脈の奇形などの難病を扱うだけに、外来には地域の方だけでなく、広いエリアから患者さんが来られます。先天的なケースだとなかなか完治が難しく、基本的には病状コントロールをすることが多いです。そのため、幼少の頃から長いお付き合いをしている患者さんもたくさんいます。たとえば、患者さんが大人になって、転勤で地方に行くことになれば、治療が途切れないように形成外科医のネットワークを活かして紹介状を書くこともあります。

血管腫の治療はこれまで発展途上でしたが、近年では、これまで一緒くたにされていた病態が整理されて、症状によっては投薬が効くようになるなど、明るいきざしが見えて進化しています。私は厚生労働省の難病の研究班にも所属しているのですが、こうした過渡期に形成外科医として研究を続けながら、治療に携われることにやりがいを感じています。

人工赤血球を使ったレーザーの治療研究に関しては、世界でも手がけているのは私くらいなのですが、徐々にいい結果が出始めています。こうした難病について国が主導で症例のデータを集めるプロジェクトも始動していて、そういうことにも今後尽力できればと考えています。

メリハリのある治療で、患者さんのやりたいことを優先

日頃から患者さんを診るときに心がけているのは、メリハリをつけて治療することが重要だということです。もちろん、症状が重いときは手厚い治療が必要ですが、軽いときはあまり重く考えず、むしろ普段の生活や患者さん自身のやりたいこと、介護者の負担を軽くすることを優先する考え方もありだと思うのです。病態を正しく理解していただくように、わかり易く説明して治療方法を提案しています。

毎日患者さんを診ているなかで、新たな気づきも多々あります。たとえば、顔に血管腫がある患者さんは、風邪を引くと症状が重くなる傾向にあることに気づいたのもそのひとつ。それを踏まえた上で、次の患者さんにも「風邪を引かないように注意してくださいね」とアドバイスし、症状の一時的な進行が抑えられることもありました。最近の発見は水素の抗炎症作用です。慢性的な炎症がもたらす皮膚症状に水素は有効かもしれないと考えています。

それから私は3児の父親なので、患者さんや親御さんには、たとえば入試や部活など、自分の子どもと結びつけてお話しすることも多いですね。

土日にも治療が受けられるオープンな病院へ

おゆみの中央病院に赴任したきっかけは、地域医療に興味があったことがきっかけのひとつでした。新しいことにチャレンジしようという気風のある病院だと感じています。土日にオープンしていることも、チャレンジ精神の表れのひとつです。

通常、大学病院などでは、平日しか治療や手術をしないところが多いですが、患者さん目線で考えれば、仕事が休みの土日にしか病院に来られない人も多くいます。その点、当院では地域のみなさまや治療を必要とする患者さんが週末でも医療を受けられるよう、月曜から日曜まで診療が受けられる体制になっています。

スタッフも勉強熱心な人が多く、院内もとても活気があって、新しい医療のかたちを模索し、自分自身をアップデートしようとする人も多いですね。

今後、当院の形成外科では、新たに美容領域にも幅を広げ、多くの人に利用いただけるよう門戸を開いていければと考えています。

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力久 直昭
形成外科 部長

略歴

学歴
  • 信州大学医学部 卒業
  • 千葉大学大学院医学研究科 博士課程修了
職歴
  • 昭和大学病院 形成外科
  • 鶴岡市荘内病院 形成外科
  • 聖マリア病院 形成外科
  • 清恵会病院 形成外科
  • 千葉大学医学部附属病院 
  • 形成外科 助教
  • 千葉ろうさい病院 形成外科 部長

資格

  • 医師国家資格
  • 医学博士
  • 日本形成外科学会専門医

専門分野

  • 形成外科全般
  • 血管腫血管奇形

所属学会、活動等

  • 日本形成外科学会
  • 日本血管腫血管奇形学会
  • 日本創傷治癒学会