尿検査

尿検査でわかること

『尿検査』ってなあに?

おしっこは健康状態や生活環境によって、日々変化しています。おしっこは私たちの目にもわかる大きな変化を起こす前に、ミクロの世界で静かに小さな変化をおこしてトラブルを知らせます。病気によっては、かなりトラブルが進んでいても、おしっこの見た目には何の変化もなく、わからないこともありますからやっかいなもの。毎日のおしっこの色や量、においをみるといったセルフチェックは大切ですが、それだけに頼っていては体のトラブル信号を見逃しかねません。
病院や健診で行う「尿検査」は、言いかえると「おしっこの成分チェック」。どんな成分がどれだけ含まれているかを丹念に調べるものです。“いつもとちがう、ヘンなおしっこ”が出る前に、ミクロの世界で起こっている小さな変化をとらえて、トラブルを未然に防ぐことができます。

どんな病気がわかるの?

まず、おしっこに直接かかわる病気として、腎臓病、膀胱・尿管・尿道の病気。そのほか血液の病気や心臓病、肝臓病、膵臓病。ホルモンバランスの崩れによる病気や体内に腫瘍ができたこと。ストレスなど精神神経科の病気の一部や赤ちゃんができたことも、尿の成分を調べればわかります。これだけ多くのことがわかるので、初診時に必ず尿検査を行う病院もあります。
しかも、検査はきわめて簡単。決められた時間におしっこを採って提出するだけ。痛みも何もありません。もっとも手軽な健康チェックとして、あなたも定期的に受けてみてはいかがですか?

尿検査で気をつけることは?

検査前日に気をつけたいこと

食事や飲み物は自由にとってかまいませんが、ビタミン剤やビタミンCが入っている風邪薬、ドリンク剤などをとらないように気をつけてください。尿の成分の測定に影響が出て、誤った結果になることがあります。

おしっこの採り方

健康な人でも、出始めの尿にはバイ菌が混じることがあります。
正しい検査のためには、出始めの尿ではなく、中間の尿を採るようにします。

主治医の先生には正確な返事を

主治医の先生が、尿検査結果を正しく判断するためには、あなた自身の情報が必要です。熱や痛みなどの症状はあるか、生理の時期、運動をしているか、どんな薬を飲んでいるか・・・など、聞かれたことには正しく返事をしてください。

尿検査結果の読み方早分かり

項目 正常値 異常値で考えられる病気 健康でも異常値になる場合
尿ウロビリノーゲン (±)か正常 「陽性」なら肝炎、肝硬変、肝がんなど、「陰性」なら胆石などによる総胆管閉塞の可能性があります。(ただし尿試験紙では陰性は判定できません) 飲酒が続いたり、肉食のあとは異常値が出ることがあります。また激しい運動の直後や疲労時、便秘時も異常値が出やすいです。
尿潜血反応 陰性(-) 目には見えなくても尿に血がまじっています。腎炎や腎結石などの腎臓病か、尿管結石など尿管の病気、尿道炎や前立腺炎など尿道の病気が考えられます。 女性では生理の前後なら陽性と出ることもありますし、一時的な潜血は誰でも起こりやすいもの。一過性なら問題ありませんので、まずはもう一度検査を受けてみましょう。
尿ビリルビン検査 陰性(-) 肝炎、肝硬変などの肝臓のトラブルか、胆石症などが考えられます。
尿ケトン体検査 陰性(-) 下痢、嘔吐など胃腸の消化吸収のトラブルが起きている時に出るほか、糖尿病か甲状腺の病気の可能性も。また熱がある時も異常値が出ます。 妊娠している時、ストレスにさらされている時、過剰なダイエットをしている時にも異常値が出ます。
尿糖検査 陰性(-) まず考えられるのは糖尿病。重症になるとおしっこから甘いにおいも。 妊娠中の女性や中高年の方は糖が出やすくなります。また若い人でも疲れている時や、ストレスを受けている場合に糖が出ることがあります。
尿たんぱく検査 陰性(-) 腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎など腎臓のトラブルや膀胱炎、尿道炎など尿路のトラブルの可能性が。発熱している時にも異常値が出ます。 生理前後や激しい運動の後、またストレスにさらされている時などは健康な人でも異常値が出ます。入浴後の尿にもたんぱくが出やすいものです。また、子供~20代ぐらいまでは腎臓の位置の関係で健康でもたんぱく尿が出やすい場合があります(体位性たんぱく尿)。
尿のpH検査 pH4.8~7.5 尿が酸性(pH4.5)やアルカリ性(pH8)のどちらに偏っていてもよくありません。
しかし食べたものの影響で、一時的な異常が出やすいものです。継続的にアルカリ性である場合は膀胱炎などの尿路感染症が、酸性の場合は糖尿病や痛風などが考えられます。発熱や下痢をしている時も尿は酸性になります。
野菜不足の人の尿は酸性になります。
亜硝酸塩検査 陰性(-) 尿の中の細菌が多く、腎臓や尿路が細菌に感染しています。自覚症状はなくても、放っておけば腎盂腎炎や膀胱炎などのトラブルのもとに。 尿を採ってからしばらく放置した場合にも、異常値が出ることがあります。
尿比重検査 比重1.010~1.030 正常値の範囲以外の数値が出たら腎臓の機能に何らかのトラブルがあるということ。
でも一時的なものなら心配いりません。糖尿病やネフローゼ症候群の場合は、より高い数値を示す場合があります。
水分を大量にとった後や、利尿剤を服用している時は低い数値が、下痢や嘔吐、脱水症を起こしている時には高い数値が出やすくなります。
尿白血球検査 陰性(-) 尿の中に白血球が多く、腎臓や尿路に炎症の可能性が。亜硝酸塩検査と同じく、自覚症状はなくても、放っておけば腎盂腎炎や膀胱炎など尿路感染症などのトラブルのもとになります。 尿を採る時は清潔にして、出始めではなく、中間の尿を採るようにしましょう。特に女性の場合はそれが原因で異常となることがあります。

尿沈渣

尿中の細胞成分を顕微鏡にて観察し、その形状や数を検査します。赤血球、白血球、尿路上皮、細菌などを認めます。その存在や形態で様々な疾患の存在を推定します。

赤血球

尿路からの出血をきたす疾患で認めます。出現する赤血球の変形がある場合は腎臓由来の血尿、変形がない場合は腎以外の血尿を疑います。

白血球

尿路感染症の存在を疑います。

尿路上皮細胞

さまざまな疾患で認められますが、臨床上重要なのは異型細胞(癌細胞)の出現です。尿路の癌を疑う場合は、さらに詳しい尿細胞診で検査します。

円柱類

腎臓内の尿細管という尿の通り道に、様々な細胞や物質が鋳型のように固まり排出されたものです。その種類も多く様々な疾患で出現します。

結晶・塩類

過剰に排出された物質が結晶化されたもの。これが腎内にとどまり大きくなると尿路結石となります。

微生物・寄生虫類

尿路感染症がおこれば尿中に様々な原因微生物が観察されます。細菌の場合は尿培養にて原因菌を特定します。ウイルスの場合はPCR法で同定する場合があります。