お知らせ

おゆみの中央病院 人工関節・関節機能再建センタ― センター長 中嶋隆行医師が第48回日本骨折治療学会学術集会にて学会賞を受賞しました。

2022.07.19

2022年6月24日、25日の期間にパシフィコ横浜で開催された第48回日本骨折治療学会学術集会におきまして、当院人工関節・関節機能再建センター センター長 中嶋隆行医師による「有限要素解析を用いたVancouver分類AL,B2、Baba分類1Aに対する手術療法の検討」が学会賞を受賞しました。

中嶋隆行先生よりコメント

日本骨折治療学会は「理論的骨接合術による標準的で安全・確実な骨折治療による美しい骨折治療と早期機能回復による日常生活への復帰」を目標に掲げる骨折治療、整形外傷に関する日本最高峰の学会です。

私の演題は「有限要素解析を用いたVancouver分類AL,B2、Baba分類1Aに対する手術療法の検討」で、人工関節周囲骨折の適切な治療方法の検討に関する研究発表でした。日本国内での人工股関節置換術、人工骨頭挿入術の件数は年間10万件以上になりますが、このうち人工関節の入った大腿骨の骨折(大腿骨ステム周囲骨折)の発生頻度は0.1~18%と報告されており、人工関節置換術の合併症のうち、近年では最も頻度の高いものとして認識されております。本研究では有限要素解析という手法を用いて、いろいろな形態の人工関節周囲骨折の病態と治療法の有効性を、コンピューターを用いてシュミレーションを行いました。その結果、人工関節周囲骨折に対して有効な治療法の指標を得ることができ、評価をいただいております。

おゆみの中央病院でも多くの人工関節置換術を行っておりますが、人工関節周囲骨折は手術直後だけでなく、患者様のその後の人生において起こる可能性がある合併症です。この研究を踏まえ、人工関節・関節機能再建センターでは、人工関節置換術を行うだけでなく、人工関節置換術を行った患者様が将来受傷した際には、最適な治療法を提案できると考えております。また、他院で行った人工関節置換術であっても、患者様と主治医の先生の御了承をいただけるのであれば、同様に治療法のご提案と治療に関する協力をさせていただきます。

最後になりましたが、臨床と研究でお世話になっている全ての方々に御礼申し上げます。研究の成果は患者様に還元できるよう一層努力いたします。

医療法人社団淳英会 おゆみの中央病院
人工関節・関節機能再建センター長
整形外科部長
中嶋隆行