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人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty, THA)

人工股関節置換術とは関節の痛んでいる部分を切除し、人工の股関節に置き換える手術です。
人工股関節はソケット、ライナー、ヘッド、ステムの四つのパーツで構成されています。

臼蓋側に設置するソケット、大腿骨側に設置するステムの素材は主にチタン合金が使用されておりますが、ライナーは超高分子量ポリエチレン製で、ヘッドはほとんどセラミック製であり、摺動面(しゅうどうめん;関節面)に使われています。

当院の人工股関節置換術は、全例MIS(minimally invasive surgery;最小侵襲手術)を実施しております。
この手術法は、筋腱非切離進入法のため従来法と比較し、「傷口が小さい」ことをはじめ、「手術時間の短縮」、「出血量の軽減」、「術後の姿勢や動作の制限がほとんどない ※術後3週以降は、姿勢や動作の制限なし」、「脱臼率が低い」、「術直後の痛みが少ない」、「早期回復」の特徴があります。

股関節の症状

最初は立ち上がりや歩き始めに足の付け根に痛みを感じます。
変形が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることがあります。

主な症状は関節の痛みと以下のような機能障害です。

  • 日常生活では足の爪が切りづらくなり、靴下が履きづらくなる
  • 和式トイレや正座が困難になる
  • 長い時間立ったり歩いたりすることが辛くなるので、台所仕事などに支障を来たす
  • 階段や車、バスの乗り降りに手すりが必要になる

治療

いずれの病気でも、まず手術をしない治療(内服薬、湿布などの外用薬、リハビリテーションなど)を行います。
しかしこれらの治療で改善せず、関節軟骨がなくなることで骨同士が擦れ合うぐらいに関節が痛んでしまい、かつ強い痛みを伴う場合に、痛みをとる目的で行う治療が人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)です。

片側例

両側例

また、大腿骨頸部骨折などで大腿骨側のみ損傷した場合に選択される人工骨頭置換術(BHA;Bipolar Hip Arthroplasty)も適応がある方には、積極的にMISで施行しております。

人工骨頭置換術

術式;MIS(minimally invasive surgery:最小侵襲手術)について

皮膚切開は従来法と異なり、ほとんどの症例で8~10cmと小さく、仰臥位前方アプローチ(Direct Anterior Approach:DAA)または側臥位前外側進入法(Orthopadische Chirurgie Munchen:OCM)という筋腱非切離進入法で行うため、メリットが大きいことが特徴です。

メリット

  • 傷が小さい
  • 手術時間の短縮
  • 出血量の軽減
  • 術後の姿勢や動作の制限がほとんどない ※術後3週以降は、姿勢や動作の制限なし
  • 脱臼率が低い
  • 術直後の痛みが少ない
  • 早期回復

合併症について

感染、深部静脈血栓症、肺塞栓、骨折、出血、人工関節摩耗などがあります。
当院では周術期に検査、リハビリテーション、投薬などを用い合併症発生を十分に予防しております。
万が一発生した場合、最善な対応方法を徹底して行っています。

リハビリテーション

手術の前日に現在の状態の評価、術後合併症予防の運動や脱臼に注意が必要な姿勢について説明を行います。
手術後以下のようにリハビリテーションを行います。
ほとんどの方が術後2週前後で退院となりますが、必要に応じて、当院の回復期リハビリテーション病棟でリハビリ継続いただきます。

(1)筋力トレーニング

膝を伸ばしたまま足全体を持ち上げる練習や、膝に力を入れて伸ばす練習などがあります。
筋力がないと力が入らず歩けないので、手術翌日から練習を始めます。

筋力トレーニング

(2)関節を動かしやすくする

関節を動かしやすくする

(3)歩行練習

手術翌日から歩行練習を開始します。歩行器から実施し、徐々に杖歩行、独歩と練習をしていきます。 大まかな日程としては手術翌日から歩行器での歩行練習、術後1週で一本杖での歩行練習、術後2週で独歩練習を実施していきます。

歩行練習

(4)生活動作練習

歩行が上手になってくるにつれて階段、床からの立ち上がりなどの自宅で生活するための練習が加わります。
患者様個人の生活に合わせて自宅退院の際に必要な生活動作を練習していきます。

生活動作練習

退院後の生活

必要に応じて退院後は外来リハビリテーションを継続し、身体機能の維持向上とご自宅での生活動作の確認を行います。

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