ロボット支援人工関節置換術
当院は全国でも珍しい、人工関節のロボット支援システムを2台備えている病院です。
Makoロボティックアーム手術システム

おゆみの中央病院では、整形外科におけるロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を導入し、2022年3月1日より、人工ひざ関節全置換術/人工股関節全置換術の手術を保険診療で行っていただけることになりました。
Makoシステムのロボティックアーム
Makoシステムのロボティックアームは、術中に医師が操作して動かし、人工関節を設置する際に傷んだ骨を削るために使用します。ロボティックアームは、人の手のようにぶれることがなく、正確に動き、止まります。その為、三次元CTデータをもとに事前に作成した治療計画から外れることなく、治療計画通り、正確な骨切りが可能になり、血管・神経の損傷を最小限に留めることが期待できます。




緑色のエリアが事前に計画した削られる部分です。医師が計画通り削ると色が白に変わります。 医師は、モニターに映し出された3D画像でリアルタイムに確認します。 予定外のエリアに刃やドリルが動くことをロボティックアームが制御するため、予定外のエリアが削られる心配がありません。
Makoシステム 3つのメリット
- 人工関節の設置精度の向上(※1.2)
- 術後の疼痛の低減(※3)
- 人工股関節全置換術では術後の脱臼率の低減(※4)
3つのメリットについて、以下の論文(※1.2.3.4)でも発表されています。
1.Domb, B. G. et al. Accuracy of Component Positioning in 1980 Total Hip Arthroplasties: A Comparative Analysis by Surgical Technique and Mode of Guidance. J. Arthroplasty 30, 2208–18 (2015).
2.Hampp EL, et al, Robotic-Arm Assisted Total Knee Arthroplasty Demonstrated Greater Accuracy and Precision to Plan Compared with Manual Techniques., The Journal of Knee Surgery. 32(3), 239-250 (2019).
3.Marchand RD, et al. Patient Satisfaction Outcomes after Robotic Arm-Assisted Total Knee Arthroplasty: A Short Term Evaluation. The Journal of Knee Surgery. 30, 849-853 (2017)
4.Illgen, R. L. et al. Robotic-Assisted Total Hip Arthroplasty: Outcomes at Minimum Two-Year Follow-Up. Surg. Technol. Int. 30, 365–372 (2017).
Makoシステムの紹介動画
ロボティックアーム手術支援システム(Makoシステム)をわかり易く紹介しています。是非、ご覧ください。
人工ひざ関節置換術(動画・2分08秒)
人工股関節全置換術(動画・2分39秒)
Makoシステムを用いた手術をご希望の方へ
おゆみの中央病院 整形外科を受診して、Makoシステムでの手術を希望していることをお伝えください。はじめて当院にかかられる方は、受付の際に初めにお申し出ください。 外来のご予約については、下記の連絡先までお問い合わせください。
おゆみの中央病院 総合受付
TEL:043-300-3355
CORI手術支援ロボット
CORIとは
CORIは人工膝関節手術における骨切除を支援するロボットです。医師が手術前に計画した部分の骨だけを切除し、計画範囲外の部分では器械が止まるように自動的に制御することで、より安全でより正確な手術が可能となります。
手術中は大腿骨(太もも)と脛骨(すね)に専用の器具を取り付け、赤外線カメラを通じて膝関節の形状を読み込ませた後、膝の可動域や硬さに関する情報を収集します。数値化されたこれらの情報を基に医師は手術計画を0.5°、0.5mm単位で微調整し、オーダーメイド手術が可能となります。
前十字靱帯を切らない人工膝関節にも対応
これまで、人工膝関節全置換術では前十字靱帯の状態が良くても切除しないと手術ができなかったため、手術に伴って膝の安定性が失われてしまう可能性がありました。CORIを用いることで前十字靱帯を切除しない(前十字靱帯温存型)人工膝関節手術にも安全に施行することができ、安定した膝、手術後に違和感の少ない膝の再現をサポートいたします。膝の状態に応じて従来どおりの人工関節や、膝の一部だけが悪くなっている場合には全置換ではなく単顆型人工膝関節を行うこともでき、個々の膝の状態に最適な手術方式が選択できます。

