SASの検査
診療の流れ
SASが疑われる方には、問診を行い、スクリーニングである簡易検査(自宅で行う)を行います。簡易検査の結果が軽症~中等症の場合PSG検査(1泊入院)行います。睡眠時無呼吸症候群と確定診断された場合には、治療のための効果測定効果測定の検査入院(タイトレーション)を施行します。結果をもとにご自宅での治療が開始されます。
上記の流れはあくまでも「基本的な流れ」となります。患者様の症状、状態により検査や治療の流れが変わる場合があります。
問診
いびきや日中の症状等に関して、問診を行います。また、昼間の眠気には、Epworth sleepiness scale(ESS)が主に用いられています。
ESSは、以下の8つの状況での眠気を、
0:決して眠くならない
1:稀に(ときに)眠くなる
2:1と3の中間
3:眠くなることが多い
で4段階評価する。
状況 | 点数 |
---|---|
1.座って読書しているとき | 0 1 2 3 |
2. テレビをみているとき | 0 1 2 3 |
3. 公の場所で座って何もしないとき(たとえば劇場や会議) | 0 1 2 3 |
4. 1時間続けて車に乗せてもらっているとき | 0 1 2 3 |
5. 状況が許せば、午後横になって休息するとき | 0 1 2 3 |
6. 座って誰かと話をしているとき | 0 1 2 3 |
7. 昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っているとき | 0 1 2 3 |
8. 車中で、交通渋滞で2〜3分止まっているとき | 0 1 2 3 |
判定スコアは0点から24点で、Johnsの成績では、軽症のSASでは11.0±4.2SD、中等症で13.0±4.7SD、重症で16.2± 3.3SDであった。ESSスコアは、いびき、SAS重症度、酸素飽和度低下とも相関があり、10以下のものをESS正常群と分類される。
PSG:Polysomnography ポリソムノグラフィー
PSGは、睡眠状態をトータルに評価する検査です。簡易検査の項目に加え、脳波や筋電図・眼球の動きなどを測定することで、睡眠の深さ(睡眠段階)、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率などを呼吸状態の詳細とあわせて、定量的に算出します。検査施設はおゆみの中央病院となります。
PSGの測定項目
測定内容 | 評価内容 |
---|---|
脳波 | REM 睡眠の有無 |
頤筋筋電図 | |
呼吸(サーミスター) | 口・鼻の気流の有無 |
換気運動 | 胸部・腹部換気運動の検知 |
心電図 | 不整脈や心拍数変化 |
動脈血酸素飽和度 | 低酸素血症の把握 |
体位 | 仰臥位で無呼吸の発生頻 度が高くなることが多い |
下肢筋電図 | むずむず足症候群の有無 |