5階病棟(回復期)リハビリテーション

はじめに

千葉市緑区にある当院の回復期リハビリテーション病棟は、平成30年4月に50床から60床に増床いたしました。
増床に合わせて、イブニングケアにもセラピストが介入する体制を敷いており、自宅に戻られてからの生活像に対する理解を深め、日々のリハビリテーションに反映させております。
さらに日常生活活動の練習の場をより実際の環境に近づけるため、新たにスペースを設けております。
その他、院内デイ(余暇活動)、園芸療法、外出練習、運転再開支援、自主トレーニングサポートにも力を入れており、退院後の生活を見据えたリハビリテーションを提供しております。

起床・着替え・洗顔・口腔ケア・排泄・食事・就寝までの一連のケア

回復期リハビリテーション病棟とは?

回復期リハビリテーション病棟について

当院では回復期対象の患者様に対して、機能の回復や日常生活で必要な動作の改善を図り、寝たきり防止と社会や家庭への復帰を目的としたリハビリテーションを実施しております。

回復期リハビリテーション病棟の対象患者

対象疾患 入院期間
1 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後もしくは手術後、又は義肢装着訓練を要する状態 150日
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷 180日
2 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の骨折又は2肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 90日
3 外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後 90日
4 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靭帯損傷後 60日
5 股関節又は膝関節の置換術後の状態 90日

当院の回復期リハビリテーションの特徴

急性期から在宅生活まで同一法人でトータルサポート

切れ目のない医療・介護サービス(在宅診療、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、介護老人保健施設<長期・短期入所>)を提供いたします。

必要度に応じて、最大9単位/日(3時間)リハビリ実施が可能

身体状況に応じて、毎日途切れることなくリハビリを実施し、早期の社会復帰を目指します。
必要度に応じて、最大9単位/日(3時間)リハビリ実施。

リハビリ時間以外の余暇時間の充実

病棟生活を有意義に過ごしていただけるよう毎日の院内デイや様々なイベントを開催しております。
また余暇時間もリハビリに繋がるよう、個別の作業課題をご提案させていただいております。

当院の回復期リハビリテーション病棟の紹介

系列の生活期リハビリ施設へのスムーズな移行

退院後の生活上の不安や、入院中と退院後のギャップに対し、ニーズに応じた様々なサービスで寄り添います。各施設間の情報共有に加え、回復期スタッフが退院後の一定期間において訪問リハビリを提供することにより、継ぎ目のない医療・サービスの提供を目指しております。

おゆみの中央病院系列のリハビリ施設

整形外科・脳神経外科・内科など入院中に必要な医療を提供可能

入院中に専門的な医療を必要とする場合、当院における診療科の医師による診察が可能です。また、病状の悪化がある場合は、医師の判断により一般病棟で集中的な治療を行うことも可能です。

退院に向けての充実した支援

写真:カンファレンスの様子カンファレンスにて退院までの段階的なスケジュールを確認します。
退院前訪問指導や外出・外泊練習などを組み合わせ、身体的・精神的準備を整えます。
また、千葉市の各種サービス(介護予防・日常生活支援総合事業、一般介護予防事業)との連携を行っており、退院後の生活を見据えたフォローアップに力をいれております。

オンラインサービス

オンラインサービス 当院では、ご家族様とSNSを介して連絡をとることで日中に電話連絡を取ることが難しい場合でもカンファレンス等の日程調整をスムーズに行っております。
また、ご本人様の現在の様子(リハビリ状況)をご家族様に動画にて送信しております。

外部講師(ボバースコンセプト:Advance Cource Instructor IBITA)による中枢神経疾患患者治療フォローアップ

治療アプローチに対する方向性が明確となり、在宅復帰に向けたリハビリが推進されます。

  • 外部講師
  • 外部講師

スタッフ教育

当院では各職種の教育プログラムに沿って個別指導や勉強会を行っています。その一部をご紹介します。

回復期リハビリ病棟研修会

写真:研修の様子各職種による講義で、回復期病棟職員全体が基本的事項を共有します。「安全対策」「基本動作介助方法」「認知症の理解・アプローチ」など、実践的な講義内容です。

セラピスト勉強会

写真:セラピスト勉強会の様子各学会における研究発表はもちろんのこと、朝勉強会を含めると4~5日/週の勉強会を実施し、技術・知識の習得に励み、患者様にサービス提供できるよう日夜研鑽を積んでおります。

余暇活動・ADL練習

患者様の必要に応じて、さまざまなリハビリテーションを組み合わせて行います。

毎日の院内デイ

写真:余暇活動の様子自由に参加できる体操やレクレーションが充実しています。レクレーションでは季節に合わせた飾り作り、ゲーム、クイズ、カレンダー作り等、様々な内容で実施しています。
入院生活の楽しみの提供に加え、コミュニケーションの促進、役割を持って活動するといった視点で行っています。

スマホ教室

アフターコロナの時代は、スマートフォンの普及やオンラインの活用がさらに増えることが予想されます。
当病棟では退院後の生活を見据え、スマートフォンの使用方法のみならず、日常生活に必要な有益な社会サービスの紹介やインターネットを使用した情報収集の方法、アプリケーションを使用した便利機能の使い方を学んでいただく教室を、月に3〜4回開催しております。

  • 写真:スマホ教室の様子
  • 写真:スマホ教室の様子
スイーツイベント

感染対策のため、ご家族やご友人との面会も制限がある中で、入院生活でひとときの楽しく、幸せな時間を過ごすことが出来ないか検討し、始めたのがスイーツイベントです。
月1回の頻度で地域の洋菓子店等にご協力をいただき、おいしいスイーツ(有償)を提供しています。

  • 写真:スイーツイベントの様子
  • 写真:スイーツイベントの様子
  • 写真:スイーツイベントの様子

調理練習

写真:調理訓練の様子動作練習後に患者様の状態や必要性に合わせたメニューを選択し、明るく清潔なキッチンで調理を行います。退院後の調理を想定し、切る・煮る・炒めるなどの工程を含む豊富なメニューから、実生活で行うような形で練習が行えます。 

外出練習

写真:外出練習スタッフと一緒にバス、電車等の公共交通機関を用いた移動や徒歩による外出練習を行います。
退院後の外出範囲や内容に沿って、ご相談の上、ルートを決定します。

退院前訪問指導

写真:訪問スタッフお体の状態が変わっても安心してお過ごしいただけるように、退院先(ご自宅や施設)に担当スタッフが伺い、福祉用具や住宅改修、安全・快適な生活の工夫について、専門的な視点でアドバイスします。必要に応じて介護保険サービス担当者にも同行を依頼し、具体的な調整について直接話し合います。

園芸療法

作業療法士を中心に活動しています。園芸を通じて一人ひとりのその方らしさを取り戻したり、継続的に関わることによる達成感を得られればと考えています。皆様、植物の成長を楽しみにしています。

  • 写真:園芸活動の様子
  • 写真:収穫したにんじんとかぶ

自動車運転再開練習

写真:自動車運転再開練習当院では病気による運転への影響を評価し、医療機関の立場で助言しています。
運転再開を希望する方には院内で机上の検査を行い、その結果をもとに必要に応じて連携している千葉県自動車練習所で実車評価を行っています。
また、必要な方には運転補助装置(左アクセルやハンドル旋回装置など)使用の助言を行っています。

回復期病棟実績

病棟機能

  • 60床
  • 回復期リハビリテーション病棟入院料Ⅰ、体制強化加算
  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が総勢30名以上在籍

病棟実績(令和4年3月末時点)

  • 在宅復帰率:90.1%
  • 平均在院日数:全体)55.5日(脳血管)78.2日(運動器)50.3日
  • 平均提供単位数(休日含む):7.1単位
  • 疾患別患者割合のグラフ
  • 退院先の割合のグラフ